ハンドクリームは、乾燥から手を保護するアイテムとして多くの人に愛されています。しかし、顔にもハンドクリームを使うことは可能なのでしょうか?
この記事では、手と顔の皮膚の違いや、ハンドクリームとフェイスクリームの成分や効果の違いを明らかにし、顔にハンドクリームを塗るときの注意点を解説します。さらに、フェイスクリームとしても使えるハンドクリームのおすすめをご紹介します。
ハンドクリームを顔に塗っても大丈夫?

ハンドクリームは多くの人が使っているアイテムの一つです。
そのハンドクリームを顔に塗っても大丈夫なのか、気になる人も多いでしょう。実は、顔に塗ること自体はOKですが、ちょっとだけ注意が必要です。
この注意すべき理由は主に2つです。
- 手と顔の皮膚の性質が異なる
- ハンドクリームと顔用クリームには、成分の違いがある
これらの違いを理解し、注意しながら使用することが重要です。これから、それぞれの違いについて詳しく見ていきましょう。
手と顔の皮膚の違い

手と顔の皮膚の性質は、いくつかの点で異なっています。以下に、それぞれの違いを詳しく説明いたします。
皮膚の厚さ
- 手: 手の皮膚は他の部位と比べても厚い構造をしています。日常の多様な作業や外的要因からの保護のための自然な特性です。
- 顔: 顔の皮膚は比較的薄く、敏感な部位が多いです。そのため、外部の刺激にやや敏感に反応しやすいです。
油分と水分のバランス
- 手: 手は日常で頻繁に水や石鹸と触れ合うため、乾燥しやすい部位となっています。
- 顔: 顔は油分を多く分泌する一方で、乾燥しやすい部位も存在します。特に、額や鼻周辺は油分が多いのに対し、頬や目の周辺は乾燥しやすいです。
クリームの適性
- 手: 手の皮膚の厚さと乾燥しやすさを考慮すると、より濃厚なクリームが適しています。
- 顔: 顔はデリケートなため、軽めのテクスチャーで潤いをしっかり補給するクリームが求められます。
ハンドクリームとフェイスクリームの違い

ハンドクリームとフェイスクリームは、それぞれの使用部位に適した成分や特性を持っています。目的や配合成分、そして期待される効果に違いがあります。
成分の違い
フェイスクリーム
- 顔は皮膚が薄く、敏感なため、過剰な油分や強い成分は避けられる傾向があります。
- ハイドロキノンやビタミンC、セラミドなど、美白やエイジングケアに効果的な成分が含まれることが多いです。
- 刺激を避けるため、無香料や低刺激性をうたった製品が多いです。
ハンドクリーム
- 手は乾燥しやすく皮膚も厚いため、グリセリンやシアバター、尿素などの高保湿成分が多く使われます。
- 外的要因からの保護のため、皮膚のバリア機能をサポートする成分が配合されていることが多いです。
- 手にすぐに馴染み、べたつかないような設計がされています。
効果の違い
フェイスクリーム
- 皮膚の水分と油分のバランスを整え、外部の刺激から守ります。
- シワやシミの予防、肌のハリや弾力の向上などの美容効果をもたらす成分が含まれていることが多いです。
ハンドクリーム
- 乾燥しやすい手を、しっかりと潤して保護する役割が主です。
- 手は日常のさまざまな作業でダメージを受けやすいため、外的要因からの保護効果が求められます。
ハンドクリームを顔に塗るときの注意点
ハンドクリームを顔に使用する際、そのままでは肌トラブルの原因となる可能性があります。適切な方法で使用することで、そのリスクを最小限に抑えることができます。
以下のポイントを押さえて、ハンドクリームを顔に塗るときの正しい使い方を学びましょう。
【肌荒れ防止】成分をチェックして、顔に塗っても問題ないか確認する

ハンドクリームを顔に塗る際、その成分の確認は欠かせません。顔の皮膚は非常にデリケートであるため、ハンドクリームに含まれている成分が肌に適しているかをしっかり確認する必要があります。特定の成分によっては、肌トラブルのリスクが高まることも。香料やアルコール、保存料は特に注意が必要です。それでは、ハンドクリームの成分で顔に良いものと避けたいもの、その特徴と効果について詳しく見ていきましょう。
顔に塗っても安心のハンドクリーム成分

ヒアルロン酸
肌の乾燥を防ぐためには、水分をしっかりと保持することが必要です。ヒアルロン酸はこの役割を果たし、肌の水分を長時間保持します。多くの化粧水やフェイスクリームにも配合されている人気の保湿成分です。
セラミド
セラミドは、肌のバリア機能を強化する役割を持っています。乾燥や外部刺激から肌を守る働きがあります。
コラーゲン
肌のハリや弾力を保つためには、コラーゲンの存在が欠かせません。ハンドクリームにも配合されることが多いこの成分は、乾燥やシワの予防に効果的です。
グリセリン
もう一つの保湿成分として、グリセリンも注目されています。肌の内部で水分を保持する作用があり、乾燥から守る役割があります。
顔に塗る際に避けたいハンドクリーム成分

尿素
尿素は、手や体の乾燥した部分に効果的な保湿成分として知られています。しかし、顔には刺激となることがあるため注意が必要です。
アルコール
「エタノール」として表示されることが多いアルコールは、清涼感を提供する成分として多くの製品に使用されています。しかし、この成分は肌の水分を取り去る性質があるため、顔に使用すると乾燥や肌荒れの原因となる可能性があります。
PG(プロピレングリコール)
かつては保湿成分として多くの製品に使われていたPGですが、現在ではその刺激性が問題視され、多くの製品で使用が避けられています。一方、DPGは低刺激性なので、安心して使用できる成分とされています。
合成香料・着色料
香りや色を楽しむための成分として、多くのハンドクリームに配合されているものの、これらは肌トラブルの原因となることがあるため、顔に使用する際には注意が必要です。特に、敏感肌の方は使用前に十分な確認を行いましょう。
【肌荒れ防止】手のひらで伸ばしてから顔に塗る

ハンドクリームはテクスチャーが固めなことが多いので、顔に直接塗ると均等に広がらず、ムラになりやすくなってしまいます。そして、ムラをなくそうとすると、肌に強く触れすぎて、赤みや肌荒れの原因になることも。
通常の顔用のクリームは、すぐに肌になじむように作られていますが、ハンドクリームは少し違います。手の皮膚は厚いから、油分がたくさん入っていて、テクスチャーも固めなのです。
ハンドクリームを顔に塗るときは、ハンドクリームを手のひらに出して、手の温かさで柔らかくすること。
これをすると、クリームがやわらかくなって、顔に塗りやすくなります。そして、ムラになることなく、肌にきれいになじむようになりますよ。
【ニキビ防止】少量を使う

ハンドクリームは、もともと手の乾燥対策として開発されたものなので、顔に比べて油分がたくさん入っています。顔の皮膚は、手に比べて薄く、自身で油分を作る能力があります。そのため、顔に多量のハンドクリームを塗ってしまうと、皮膚に必要以上の油分が供給され、毛穴が詰まりやすくなります。
特に、ニキビに悩む人や肌が脂性の人は、このポイントを特に気を付けたいものです。毛穴が詰まると、そこで皮脂が溜まり、ニキビの原因となるバクテリアが増えやすくなってしまいます。
顔全体に塗る際は、ほんの少量を手のひらで温めてから塗り広げるようにしましょう。
【ニキビ防止】顔がべたつく場合はティッシュオフする

ハンドクリームは、手の肌を保護し潤すために、油分を豊富に含む製品が多いです。そのため、顔に使う場合、ベタつきを感じることがしばしば。このようなベタつきは、ただ不快感を与えるだけでなく、長時間その状態を放置すると、毛穴が詰まりやすくなり、ニキビのリスクも高まります。
さらに、ベタつきは化粧品の持ちを悪くする可能性も。特に、ファンデーションやパウダーを使用している方は、ハンドクリームの油分によってメイクが浮きやすくなることが考えられます。
そんな時、簡単にベタつきを解消する方法があります。それは、ティッシュを使って、顔の表面の余分な油分を優しく拭き取ること。ティッシュを使って油分を取り除くことで、顔の表面がサラッとし、メイクの持ちも良くなります。ただし、強くこすらずに、優しく押さえるようにしてください。
【痛み・赤み防止】痛みや刺激を感じたらすぐに洗い流す

手の皮膚は顔の皮膚よりも厚く、異なるケアが必要です。このため、顔にハンドクリームを使用した場合、一部の方々が刺激や痛みを感じることがあります。
特に、塗布後にヒリヒリとした感じや赤み、かゆみなどの症状が現れた場合、それは肌が刺激を受けているサインかもしれません。このような症状を感じた際は、速やかに以下のステップでケアを行いましょう。
- まず、ぬるま湯を使って顔を洗い、ハンドクリームを完全に洗い流します。
- 可能であれば、添加物が少ない、肌に優しい洗顔料で洗顔することで、さらに余分な油分や刺激物質を取り除くことができます。
- 洗顔後は、化粧水やフェイスクリームでしっかりと保湿を行うことで、肌のバリア機能をサポートします。
もし、上記のケアを行っても症状が改善されない、または悪化する場合は、皮膚科医に相談することが必要です。自身の肌の健康を最優先に考え、適切な対処を心掛けましょう。
フェイスクリームとしても使えるハンドクリーム3選
今回は、顔にも使えるハンドクリーム3つと、その注意点についてご紹介します。
DIOR(ディオール)|ル ボーム
ディオールのル ボームは、高価格帯ではありますが、その効果は絶大です。このクリームは、天然の成分をたっぷりと配合しており、肌荒れや刺激を防ぐ効果があります。
保湿成分のヒアルロン酸、シアバターが含まれているため、乾燥から肌を守り、しっかりと水分を閉じ込めてくれます。テクスチャーはなめらかで伸びがよく、手のひらで温めることでさらに浸透力がアップします。
NIVEA(ニベア)|ニベアクリーム
日本でも長年愛されている「ニベアクリーム」は、シンプルな成分で作られており、敏感肌の方でも安心して使うことができます。グリセリンやホホバ油が配合されており、乾燥や肌荒れから皮膚を守る効果があります。テクスチャーはしっかりしていますが、手のひらで温めると顔にも伸びが良くなります。香りも優しく、気になることは少ないでしょう。
ナールス |ナールス ロゼ
ナールスのロゼは、肌のハリをもたらすナールスゲンを配合しており、エイジングケアをしたい人におすすめのハンドクリームです。また、フェイスクリームとしても、この成分は乾燥からの保護や角質のケアに役立ちます。さらっとしたテクスチャーで、油分が少なめなので、ニキビの心配も少ないです。やさしいローズの香りが、リラックスタイムをより一層特別なものにしてくれます。
ハンドクリームを顔に塗る場合は成分や使い方に気を付けて使おう

ハンドクリームを顔に使う場合、その成分や使い方はとても大切です。特に、油分や保湿成分、香料など、皮膚の違いによっては刺激となる可能性があるため、注意が必要です。
ハンドクリームを顔に塗る際は注意点を守って使用するようにしてくださいね。
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